プロローグ

借金癖のある夫のこと

青天の霹靂とはまさにこのこと。

借金大嫌いの私が、1000万超の借金を抱えてしまうことになるとは。

夫が多重債務者だった。

これまで、子どもの障害のこと、自分の病気のこと、夫の病気のこと、色々考えることが多すぎて、お金のことを考えるのは後回しになっていた。

少し育児にも目処が立って、今後のことを考える余裕のようなものが生まれてきたので、これからしっかりお金のことを考えていかなければ、と思っていた矢先の出来事だった。

夫から借金がある。それも少しじゃない、と。

一生無縁だと思っていた弁護士事務所に何度も問い合わせ、インターネットでは自己破産のことを調べる毎日。

自己破産すれば、なんとか細々とでも生活を立て直すことができるかもしれない、という淡い期待も束の間、カードの現金化をしていたので、結局、自己破産さえもできないことがわかった。

借入先15社、借入額1000万超、年利18%の世界では、利息だけで年間100万を軽く超える。

今のままでは、利息分さえも返済が追いつかず、借金はどんどん膨らんでいくばかりだ。

自分たちだけでは、もうどうしようもないことになっていた。

だけど身近な人には相談できなかった。

そしてこれからどうしていけばいいのか、どこを調べても答えは見つからなかった。

自分の頭で考えるしかないのだ。

一生かかっても返済できない可能性は高い。

自分の命が尽きるのが先か、借金を返済するのが先か。

皮肉なことに、今まで借金を一切してこなかった私の人生の最大のテーマが、借金完済となってしまった。

できることなら、子どもたちには借金を残したくない。

どこまでできるかわからないが、パンクしそうな自分の頭の中を整理するためにも、ここに記録していきたいと思う。